俺が小学校6年生から中学1年生の1学期まで住んでいた所は、100世帯ほどの集落が点在する田園地帯だった。
物心つく頃には全ての人の顔と名前が一致してしまう。
世間一般で言うところの「村」だった。
そんな村には1台のコンドーム自動販売機が設置してあった。
その自販機は村長が設置したものだったらしい。
最近同窓会に出席した時に村長の息子(現村長)が言っていた。
実はこの自販機、村の歴史に残る事件の主役である。
犯罪とは無縁、玄関の鍵など1週間旅行に出かける時ですら施錠しない。
と言うか、新築当初から使用していない為、5年もすれば錆ついてしまう。
そんな長閑(のどか)な村を揺るがす大事件。
そうです、コンドーム自販機盗難事件です。
自販機ごと重機で引っこ抜いてゴッソリ持っていかれてしまいました。
コンドーム自販機とはいえ侮るなかれ。
何と月の売り上げが50万円を超える時期もある働き者。
特に農閑期には連日連夜大盛況だったそうだ。
村の一切を取り仕切る村長。
この未解決事件が起こってから防犯対策用のビデオカメラを張り巡らせた。
それから月日は流れ、今では現村長であるクラスメートがコンドーム自販機を管理している。
クラスメートはビデオを頻繁にチェックして防犯対策に余念がない。
そこで分かった事実は村人には話せない。
「顧客=村人」だしさ。
「誰が何回コンドームを買った事がある」
なんて暴露してしまえば現村長の椅子が危ない!!しかし現在はその村に縁もゆかりもない俺に、クラスメートはとんでもない事を暴露し始めた。
何とコンドームを購入する人の4割くらいは中学生と言うではないか。
昔から覗き見が趣味だったこのクラスメート。
中学生の時からこのビデオチェックが日課になっていたそうだ。
クラスの高嶺の花のYちゃんや、真面目だったはずのSちゃん。
殆どのクラスメートがコンドーム自販機にお世話になっていたらしい。
そもそもコンドーム自販機を設置した理由というのが、この村では初体験を中学生くらいで済ませるのが当たり前で、コンドーム自販機を設置するまでは未婚の母が大量生産されていたらしい。
しかも複数(10名以上らしい)の男性と関係を持つ女子中学生が多かったため、誰が親なのか見当が付かない。
なにせ、クラスの2人に1人は3P以上を経験済みという弾けっぷり。
確かにクラスメートの中には唯一の家族が「かなり若いお母さん」
という子が何人も居た。
何故か母子家庭にしては裕福過ぎる家庭が多かったが、心当たりのある男性が共同で生活の面倒をみるのが村の風習だったそうだ。
あーぁ…俺の両親…何で俺を中学卒業までこの村で育ててくれなかったのさ!!