私が働いている会社は従業員40人程度の小さい会社です。
そんな中小企業の社内でレイプ事件が起きたんです。
その日私はお客様との商談があり、急きょ休日出勤していました。
無事お客様との商談を終え、会社で契約書類をまとめようと思い車を駐車場へと戻すと、休日であるにも関わらず見慣れぬ一台の車が停まっていました。
私以外にも休日出勤している者がいるのだと思い事務所に行ったのですが、事務所の鍵はかかったまま。
「おかしいな?」
私はそう思いながら事務所の鍵を開け、中に入りました。
事務所には誰もいません。
あの車は誰のものだろうと思いながら、自分の席に向かおうとしたその時でした。
奥の社長室から人の声が漏れ聞こえてきました。
耳を澄ましてみると、それは単なる会話ではありません。
まさに男女が性行為を行う際の喘ぎ声でした。
私は、社長室の扉が少し開いているのに気づき、そっと中を覗きました。
中にいた男の方は、まさにわが社の社長でした。
あの車は社長のプライベート用の車なのかもしれません。
相手の女性の顔は見えませんでした。
2人は社長室のソファーの上で重なり合っており、扉に背を向けるような姿勢で覆いかぶさる社長の背中に隠され、女性の身体はほとんど見えませんでした。
見えているのは社長の身体の横へと伸びた女性の左脚のみでした。
私には、それ以上体を寄せて、社長の情事を覗き見る勇気はありませんでした。
とりあえず社長室からいったん離れた私は、辺りを見回し、ある席の目を奪われました。
その席の椅子には薄手のコートがかけられ、席上には見覚えのある茶色のバッグが置かれています。
それを見た私は、社長の姿を見た時よりも強い衝撃を受けました。
その席は我が社唯一の既婚女性Rのものでした。
Rは社内恋愛で結婚した30代の女性で、なかなかの美人ですがおごった所がなく、皆から可愛がられる存在でした。
私はその瞬間、社長と人妻OLの秘密の情事の現場に出くわしてしまったことに気づき慌てました。
そして、同時にそれは残念でもありました。
私はRのことをとても可愛いと思い憧れていたので、Rが社長と不倫するような尻軽な女だったことは、かなりショックなことでした。
私は取り合えず、その場を立ち去ろうと思ったのですが、違和感を感じ、もう一度社長室をのぞき込みました。
よく聞いてみると、秘密の情事にしてはRの声は物悲しく、すすり泣いているように聞こえます。
更によく観察してみると、そこだけが見えているRの左脚の折れた膝のやや上の太ももに、完全には脱がされていないパンティがまとわりつき、そのパンティから下の膝やふくらはぎには引き裂かれたストッキングが垂れ下がっています。
私はそれらの衣服がとても乱暴に脱がされたような印象を受けました。
「まさか、Rはレイプされているのか」
私は直感的にそう思いました。
もしそうなら止めなくては思いましたが、しかしこれが同意のうえでの不倫ならば、相手が社長であることを含め、私は行動を躊躇してしまいました。
そうこうするうちに、社長はどんどんヒートアップしていきました。
Rの身体を弄り、腰を打ち付けながら、何かブツブツとRにささやいていました。
耳を澄ましその言葉を聞き取ったとき、私はRが社長に無理やり犯されているのだと確信しました。
「Kよりも良いだろう。
Kの出世はお前次第だ、俺は前からお前をこうしたかった。
どうせなら俺の子どもを産めよ」
社長はそう言いながらRを犯していました。
KとはRの夫であり、私の同僚でもあります。
お気に入りのRをKに奪われたと逆恨みした社長は、逆にKをネタにRを威し、無理やりその身体を奪ったのです。
しかし、私はレイプしている社長を止める勇気はありませんでした。
そのままそっと事務所を出て、近くのファミレスで時間を潰しました。
かなりの時間が経ち、私がもう一度事務所に戻った時には、もう車も無く、事務所にも誰もいませんでした。
あくる日Rはいつもと変わらぬ様子でいました。
私はその姿に涙が出そうになるとともに、社長に対する怒りがこみ上げてきました。
昨日犯されていた女性が、Rではないことを心から祈りました。
その数日後、主婦業に専念するためRが退社すると社内で発表されました。
他のものは驚いていましたが、私は驚きませんでした。
そしてRは退社し、Kは職位を2つも上げました。
私は、もしあの時の女性がRだったとしたら、レイプしている社長を止められなかった事をいまだに悔いています。
私は自己保身のために同僚の妻が犯されているのを見捨てました。
ですからKと顔を会わすたびに、私の心を罪悪感が包みます。
しかし、仮に私がレイプ現場に立ち入り、社長と修羅場を演じ、夫であるKも含め、妻が他の男に挿入されたことが白日にさらされたとしたら、被害者とはいえRとKの夫婦は、相当つらい思いをすることになったでしょう。
そう考えると、何が正しい行動だったのか、今でもわかりません。