それはインターフォン越しだった。
ピンポーン
嫁「はい、嫁田です」←明らかに若い声
俺「あの私、嫁子さんのクラスの副担任の俺川ですが、嫁子さんいらっしゃいますか?」
嫁「・・・嫁子なら学校に、、、家には居りません」
俺「・・・失礼ですが、お母様でいらっしゃいますか?」
嫁「・・・ハイ、嫁子の母です」
俺「・・・嘘つくな、お母さんなら仕事に行ってるだろ、何で3日連続で無断欠席したんだ?」
嫁「・・・・」
俺「おい、黙ってないで開けろ!」
ドンドン
嫁「・・・・」
思いっきり青春をこじらせた嫁は不登校中(本人がいうには友人関係での悩み)。
人使いの荒いおババな担任から家にいるかどうかを確認して来いと言われた。
新人だった前年度散々、弄られたから女生徒に対して苦手意識があったので、辛い会話だった。
以後、嫁からの反応なし、、すごすごと引き返す以外に手はなかった。
それを担任に報告すると普段からの指導力不足をネチネチと指摘されたので良くおぼえている。
五月の連休明けくらい、とある鉄骨2階建アパートでの出来事。
当時、俺は新任2年目教師(23)で嫁は高校2年(16)
全然記憶にないが結婚直前に嫁から、「絶対俺がお前の事を守ってやる、約束する」とドア越しに叫んでたんだよ、と言われた。
このままだと叩かれそうなんで、自分からkwskするから優しくしてね!
2回目は担任と学年主任と一緒に母親のいる時間に訪問した(嫁は母子家庭で一人っ子)。
つまり、1回目は単に家で引篭もっているか、外で遊んでいるかの調査だったと言うわけである。
話し合いの最中、俺は何もしなかった。
担任や学年主任とは視線を合わせない嫁はときおり俺をみて眉間にしわを寄せた。
結局、母親の説得で学校には行く事になった。
登校はしたもののクラスに居辛かったらしく嫁は保健室に、、は行かず、俺のいる教科準備室にきた。
嫁「せんせー、暇だよー、なんか話して!」
俺「何をだよ、まぁ、色々あるんだろうからしばらくここに居てもいいよ」
以後、時間を見つけては準備室に入り浸り、タメ口で俺と話してた。
だが、親密に見える関係が生徒達の間で噂になり教科主任から俺が強い指導を受け、
俺「おい、俺をクビにさせたくないなら、もう来んなよ」
嫁「ゴメン迷惑だったね、・・・もう来ないけど、代わりに毎日メールしてくれる?」
俺「する、だからもう来んな」
嫁「本当に毎日だよ?」
それから年度が変わって、接点がなくなっても毎日嫁の日常エッセイ風のメールが来た。
返事は当然毎日書いた(嫁がキレるので)。
メール以外でも廊下ですれ違うと、わざと隠す感じで手を振ったりしてきた。
こそこそ隠れて嫁と二人で会っていたような気もするが、、たぶん気のせいだと思う。
うん、車で嫁を隣町まで連れ出して、月一くらいでプチデート、、、はしていない(と言い切るw)
俺は卒業までの我慢と思い、嫁の出すラブラブなオーラはスルーしてやっとの事で問題を起さず(=手を付けず←これはガチに真実)嫁の卒業まで持ち込んだ。
卒業式の日に泣きながら抱き付こうとする嫁を避けながら自分で自分を褒めていた。
が、その後も専門学校にいった嫁から毎日メールが来た。
二三日返事をしないと電話をかけて来て泣き出す。
俺「おい、卒業したんだぞ、生徒じゃないのにもう止めてくれよ、お前は何がしたいんだ?」
嫁「・・・(俺の下の名前)と結婚したい、かな?」
俺「おい!お前の場合はいきなり結婚かよ!普通付き合ってからだろ!」
嫁「うん、良いよ(急に喜んで)」
俺「何が良いんだよ」
嫁「だからあ、(俺の下の名前)と付き合ってあげるww」
俺「違うだろ!」
嫁「えー、なんでー、彼女居ないくせにー、意地をはる意味がわからない、私の事嫌い?」
俺「嫌いじゃないが、生徒には手をだせんだろ!」
嫁「さっき自分でもう生徒じゃないっていったじゃん、問題ないじゃん」
俺「・・・そうか、そういうもんか?」
嫁「そうだよ、もう誰の目も気にしないで良いし、何をしても良いんだよ?」
俺「・・・(ゴクリ)」
この4年後ほとぼりがさめたのを見計らって結婚、「やっちまったな」って周りから冷笑交じりで言われたorz。