当時付き合っていた彼女の話です。
久しぶりに高校の女友達(ゆり(仮))とご飯でも行こうという事になって、自分も男1人連れて4人で会う事になった。
こういう時は男2女2で会うのが自然とセッティングされる仕組みが面白い。
私の直接の女友達はもちろん顔も知っていたが、もう1人の女の子(ミナ(仮))は同級生で学校も同じだったらしいが全く接点がなく、廊下ですれ違ったりは恐らくしていただろうが、今回が初対面も同然だった。
食事会は大いに盛り上がり、連絡先を交換してその日は終わった。
そして、俺の男友達の方が俺の女友達ではないミナの方に好意を持っているという事を知っていまい、俺もそっちの子が結構好みで狙っていたがターゲットが被ってしまったので、取られないうちに行動に出る事にした。
男友達は週末まで休みがないが、こっちは水曜日に休みがあったのでその日に行動を起こす事にした。
ミナはサービス業なのでお店に遊びに行って、そのまま仕事終わってからご飯に誘う事にしたのだ。
その素早い行動が成功してどんどん仲良くなり、数週間で付き合う事になった。
最初はとても楽しかった。
しかし付き合って1ヶ月も経たないうちに、車の中で急に別れを告げられてしまい、とにかく動揺した。
「そんな急に言われても困る」
何とか食い下がった。
しかし、何度言っても明確な理由も分からず車内だったが押し問答が続いた。
もうこれ以上は無理だと思った俺は、ある提案をした。
「そんな一方的に別れるって言うんだったら、一回エッチしてくれたらすんなり諦めるよ」
彼女はドン引きしたような顔をしていた。
当然だろう。
こちらも最低な事を承知で、このままエッチもせずに別れられるなんて嫌すぎると思ったからだ。
しかし、ここは車内。
要するに簡単には逃げられない。
電話やメールなら一方的に無視すればいいが、ここではそうはいかない。
もちろんミナは何とかそれだけはやめてとお願いしたが、こっちも一方的に別れを告げられた事を武器に、そしてすんなり別れて家に帰るならエッチするしかないという状況に相手を追い詰めていった。
そして相手もしぶしぶホテルへ行く事を何とか承諾した。
こんな嫌々ラブホに来ているカップルもなかなかいないだろう。
ちなみにミナは黒髪のストレート、本田翼を黒髪にしたような髪型。
スタイルも顔もそれなりに可愛い子だった。
ついにホテルの一室に入った。
心の中ではどうせ別れるなら、ここでエッチ出来るならもう思い残す事はないと逆に喜んでいた。
当然ミナはなかなか服を脱ごうとしないし、ベッドにも座らない。
「もう観念しな。エッチしたらもうこれで終わりだから」
そしてオドオドしているミナをベッドへ寝かせ上に覆い被さってキスをした。
「キスはダメ!」
「そんなのここに来て選択肢はないよ。最後くらいカップルらしくしよ」
相当嫌がっていたが、何とかキスしながら相手の体をたっぷりと堪能した。
とても柔らかくて吸い付くような肌だった。
この子とこれで最後だと思うと勿体無く感じた。
シャワーも浴びず、俺は服を全て脱ぎ、ミナはなかなか脱いでくれないのでとりあえず胸を触れるくらいだけ服を脱がせ、下のスカートからパンツを下ろした。
すると「早く終わらせて」
「そんな簡単には終わらないよ。最後だからじっくりやるからね」
ミナの顔は歪んでいった。
20分くらいはミナに覆い被さりながら体中を愛撫して、まるで自分のものにしたかのように抱き締めていった。
時々ベッドから逃げようとしていたが、その度にしっかりと抱きしめてキスをした。
「そろそろ入れるからね」
「ちゃんとゴム着けてよ」
「分かった分かった」
そしてついに結ばれる時が来た瞬間だった、が「やっぱり無理、帰る!」
突然の事だった。
最後の最後で嫌がりだしたのだ。
しかしここまで来てこっちも帰らせるわけにもいかない。
俺を押しのけようとベッドから逃げようとしていた。
まだ着けかけのゴムが取れてしまい、それでも尚逃げようとする。
「入れたら終わるから、観念してよ」
しかしミナはモジモジして逃げようとする。
もうさっさと入れた方が早いと思い、生のままで相手の太ももを掴み股を開かせて、まさにズンっ!と言わんばかりに挿入した。
「ちょっと、ダメだって!」
今でもこの言葉が忘れられない。
「ゴム着けてないよね?もうなんで・・・!」
もちろんミナが逃げようとするからだ。
これから別れる相手をセックスするのがこんなに気持ちいいのか、相手がミナだからなのか分からないけど夢中で腰を振った。
もう入れてしまったらさすがに観念したのか、それか生で入れられてしまった絶望感なのか、ミナは終始無言で終わるのを待っているようだった。
生という事もあり、10分も経たないうちにミナの中で果ててしまった。
するとミナは慌ててお風呂場に行って何度もアソコを洗っていた。
「何で中に出すの…」
と、風呂場で半分泣きながら洗っていた。
もちろんその日はそれで別れた。
それから数ヶ月経ち、俺にも新しい彼女が出来てからミナのいた店に行くと本人がいない。
ミナ繋がりで少し仲良くなった店員さんに「○○ミナさん休みですか?」
「あの子、子供が出来たみたいで仕事辞めるって言ってきたのよ」
血の気が一気に引いた。
俺と別れた後にすぐ他の男と付き合ったとしても子供ができたとはどう考えてもこの数ヶ月では考えにくかった。
試しに、「ミナさん結婚したんですね」
と聞いてみると、店員さんは「私も同じ事聞いたみたいだけど、旦那さんはいないみたいよ」
ダメだ、これは確実に自分だと思った。
以前ならまだしも、今はもう新しい彼女がいる。
その日は生きた心地がしなかった。
それから怖くなって携帯の番号アドレスやLINEも全て新しく一新して、ミナから連絡が来る事を防いだ。
もしかしたらお金を請求してくるか、何かしらの仕返しをしてくるかもしれない。
出来れば何もなく終わってくれと願った。
もちろん俺があんな事をしなければこんな事にならなかったわけだ。
それから数週間は怖くて堪らなかったが、時間が経つにつれて新しい彼女と遊んだりしていると忘れていった。
しかし恐怖は去っていなかった。
仕事からの帰り道、自分のアパートに近づいて入口の方を見るとミナが立っていた。
しかも右手にはカッターナイフなようなものを持って。
一気にこっちに迫ってきて壁に押し付けられた。
ミナの目は普通ではなかった。
俺を壁に押し付け、カッターを顔に突きつけ、「子供できちゃった、分かるよね?」
「私と結婚するか、ここでブスリといくか選んで」
「ふざけるのもいい加減にしろ!」
ミナは「新しい可愛い彼女さんいるんだよね?別れてよ」
「無理だ、頼むからこんな事はやめてくれ!」
するとミナは「私もそうやってあの時ホテルに行く事拒んだよね?」
「さよなら」
それが最後に聞いたミナの声だった。
俺は病院のベッドで治療を受けている。
あの時なんとか急所は免れたが、お腹の端の辺りを少し切られたらしい。
今の彼女には本当の事は言えなかった。
もちろん警察にも自分で切ったの一点張りで嘘を突き通した。
それからはミナと会っていない。
俺は新しい彼女と共に街を出て引っ越した。